俺は銀河の流れ星

これは無職が漁師になるまでの体験記。

4~6面くらいにあるよね、氷ステージ

晦日だ~~~~

今年も終わりかぁ。

もう無職旅してたのは遥か昔に感じるんですが今年の4月まではやってたんですよね。

そこから漁師の研修生になって...まだ半年ちょい!?

今年も濃ゆい一年でした。

 

年末は組合もお休みのため天気が悪くても良くてもお休みです。

獲ってきても卸せないからね。

 

という訳で実はクリスマス後くらいから新潟の実家に帰省中のD資です。

 

いや~全然雪がねぇ♨

北海道から渡ってきたことを差し引いてもちょっと不気味なほど暖かい大晦日です。

 

北海道から脱出するときは大変だったのに。

小樽⇒新潟のフェリーに車を積んで渡ってきましたが小樽にたどり着くまでに合計7時間45分かかりました。

この時期の北海道はどっかしら降ってるのでね。

目の前がホワイトアウトしたり路面凍結で車がケツ振ったり...。

 

普通の乗用車だったらもっと早く着いたと思いますが軽トラはとにかくすべ~る。

特に海沿いの風が強い道路は生きた心地がしませんでしたね。

滑る床と強風、ゲームなら手垢がつきまくった定番ギミックですがいざ自分が受ける立場になるとおっそろしい。

車が勝手に横滑りしてくんだもの。

ちなみに荷台には大量のホタテ、昆布、アワビに日本酒

とんでもない宝の山を運搬してました。

盗賊に遭ったら大変だった。

 

新潟ではここぞとばかりにラーメン巡り。

北海道で常に美味しいものは食べてるけどもこういう今風(?)のこってりしたラーメンは食べられないんだ...

ラーメンといえば昔ながらの食堂のラーメン。ド田舎なのでね。

 

後は牛丼とかイタリアンとかハンバーガーとか...

今のうちにジャンクフード系もたくさん食べておかないと!

 

普段最高の海の幸ばかり食べてるのに。

お城から抜け出してきたお姫様みたいになってしまった。

(三十路を控えた成人男性にお姫様はきついか)

 

来年はついに漁師デビューの予定。

ゆるゆる本音ベースで更新していきたいと思います。

 

それでは皆さん、良いお年を。

配給だ~~~

並べ~~~親方からの配給の時間だ~~~!

イカ!!!!

 

昨今の値上がりブームが始まるより前からいち早く値上がりし今もなお流行の最先端で高価になり続けるストイックな海の味覚。

 

私たちが獲りに行ったわけではないので戦利品シリーズじゃありません。

 

親方の知り合いの漁師がイカ漁に出るとのことで水揚げがあったら購入させてもらえるように頼んでおいたみたいです。

 

そんなわけで親方が木箱で二箱買ってきてくれました。

木箱って…卸売りでしか見ないやつだ。

そして従業員一同に配ってくださいました。

ありがたや~~~

 

とりあえず内蔵を出すなどして下処理をして冷凍。

また冷凍庫が潤った。

私は塩辛が苦手なので腸は使い道がないですね。

 

刺身も作りましたがここはひとつ北海道という事で...

いかめし!!

 

面倒くさそうな料理ですが一人分作るだけなら意外と手間がかかりません。

米も炊かなくていいしイカの皮も剥かなくていいしね。

なんならイカの下処理にかかる時間の半分以上は皮むきだと思ってるので。

 

あとこれは友達に教えてもらったのですが適当に薄めためんつゆに生姜とゲソを入れるだけでいい感じのつまみになる。

料理しながらぱくぱくつまんでました。

お試しあれ。

 

それではまた

アバチャンという魚

タラ網をやってると招かれざる客が混ざってきます。

 

こいつ。

www.zukan-bouz.com

アバチャンという魚。
水族館のサイトではやけにかわいらしく紹介されてたり実は美味しい、廃棄されて流通に乗らないのが惜しい、なんて書かれてることもありますが大事なことが書いてない。

 

こいつ、マジでハチャメチャに臭い。

 

しかも最悪なことに船に酔うタイプの臭さを放ってるんですよね。
魚の生臭さとか動物の獣臭さとかとはちょっと違う。
なんかこう、嗅いじゃいけない薬品の匂いを嗅いでしまったかのような...
一気に具合が悪くなるタイプの匂い。

 

殺人的な臭さです。
実際ひどい船酔いの人にこいつの匂いを嗅がせ続けたら死んでしまうんじゃないか。

 

特に水揚げ直後は三割り増しくらいで臭い気がする。
陸で改めて嗅ぐと「ん?こんなもんだったか?」ってなる。

 

顔つきもまぁ憎たらしい(止まらないヘイト)。
豚鼻っぽく飛び出た突起に低くて周りがボツボツしてる唇。
ファンタジーの不細工低級モンスターって風貌です。
オマケに身体のほとんどが水分でのらりくらり手から逃げていくから微妙に網からも外しにくい。

 

RPGに出てきたらロクに攻撃もしてこないくせにデバフばっかり撒いて無駄な耐久力のせいでターン数ばかりかかる害悪モンスターになることは間違いないでしょう。

 

アバチャンに対してここまでの憎しみを文字にしたページはほかにない気がするな。

 

ちなみに唐揚げにするとおいしいというのは地元の人も言っていたので確かな情報らしいです。
やってる人見たことないし私もやらんけど。
家の中に持ち込みたくないしな。

 

それではまた

戦利品シリーズ タラ

タラ漁が始まってますわよ~

 

親方も、ほかに手伝ってくれたことのある漁師さんも、自他共に認める冬の地獄、タラ漁。

 

ここで経験できる漁では一番きつい。

 

時期としては11~3月の間でそこそこ期間がありますが回数はそんなに多くはありません。

せいぜい月数回ってところでしょうか。10回はいかないかな。

 

何がきついって時化と乗船時間ですかね。

冬の北海道の海はとにかく時化る。

うん千トンのフェリーだってしょっちゅう欠航するくらいですから漁船が出れる日も限られるし、仮に凪で出たとしても一日中凪でいてくれることは極めて稀です。

揺れの大きさは鮭やホッケの時と比べ物になりません。

 

そして一度漁に出れば12時間は船の上。

皆さん知ってましたか?人間は陸から離れてる時間が長ければ長いほど疲れるんですよ♨

船の大きさが違うとは思うけど遠洋の人たちとか本当にすごいなと思います。

 

はい、そして戦利品はもちろん...

タラでしょうね

タラはとにかく痛みが早く網を回収した時点でも出荷できないやつが結構混じってます。

 

「シオムシ」と呼ばれる寄生虫がつくとすぐ傷み始めるらしい。

ビジュアルはミジンコをでっかくしたような姿。そんなにグロテスクではない。えらの中にいます。

流通段階で弾かれるのでネットでタラの寄生虫を調べても出てこないですね。

今度チャンスがあったら写真撮っときます。

 

とりあえず捌いてみたのはメスでしたね。こっこが入ってます。

鍋にしたいのでオスのたちも回収してきました。

身と肝臓を豪快にぶつ切りにして...

タラ鍋!!

間違いない冬の味覚!!!

 

ちなみに肝臓とたちを適当に鍋に残し、お玉で潰してからご飯と卵を入れ締めの雑炊を作るとお手軽に狂えるのでお勧めです。

 

それではまた

【備忘録】縄ののし方

縄の扱いは漁師の必須スキル。

結び方の他に使う前の準備もあります。

 

こちらホタテのケタ用の縄。

海の中にこれがのびててここにホタテの籠がぶら下がってるイメージです。

 

めちゃくちゃ太くて丈夫なので重い。

100kgくらいはあると思う。

 

※雪が降る前に撮影

さて、巻いて納品されている縄なので最初はよりがかかっています。

それを直すためにこんな風にびよーんと広げます。

ただしこの時、一枚目の写真に見えてるような端をそのまま引っ張ると縄の束がドリルのように伸びていってひたすら同じ方向によりがかかり続けます。

そうなると最終的に縄がキンクします。

(キンク:縄の形崩れ。一度崩れた縄はもう元には戻らず耐久性にも致命的な影響が出る。)

 

キンクしないように縄を伸ばすにはまずこのように束を半分に割ります。

そしてさっき一番上にあった端を中をくぐして真ん中から出し引っ張ります。

 

こうすると半分に割った左右の束でそれぞれよりの方向が逆になるので、伸ばしているうちに右のよりと左のよりが順番にかかり、最終的にだいたいまっすぐに伸びます。

 

まぁこんな縄を独立後に扱うかと言われると微妙だけど。

知識として知っておいて損はなし。

 

それではまた

戦利品シリーズ ホタテの稚貝

12月だ~

 

相変わらず雪、時化、雪で中々漁に出ることもありません。

一応11月中旬からタラ漁が始まっていますが半月で3回しか出れませんでした。

 

さて、そんな冬の仕事の一つにホタテの詰め替え作業があります。

まぁこっちも派手に時化るとできないので常に操業できるわけではありませんが。

 

ホタテは海で種を採集してそれを籠に詰めた1年生、ちょっと大きくなったので大きい籠に詰め替えた2年生、さらに大きくなったので籠当たりの枚数を少なくした3年生、そして翌年やっと出荷されます。

 

ちなみに種っていうのは数ミリのホタテ貝ですがこれは海に玉ねぎのネットを沈めておくと自然に付着するのです。

 

そして詰め替え作業をやっているという事は...

戦利品はもちろんホタテの稚貝ですな♨

 

定番の酒蒸し、

 

ちょっと豪華な味噌汁、

 

さらにはカレーまで、なんにでも使えるオールラウンダーです。

 

詰め替えの過程で死骸や小さすぎる貝が弾かれ廃棄の山が出来上がるのですがそこからまだ食べれそうなものをちまちま拾ってきてます。結構あるんですよね。

フードロス削減ですね(笑)

 

詰め替え作業をやってる限りほぼ無限に手に入る稚貝。

次はなにを作ろうか。

 

それではまた

戦利品シリーズ つぶ貝

こんなのが網にかかってました。

でっけーつぶ貝。

網にかかってくるのは珍しい。

このサイズも私は初めて見ました。

つぶ貝は貝殻の裏側辺りに貝柱があって、そこを切ればするっと抜けると教えてもらったのですが...

よくわかんなかったし面倒なのでハンマーで叩き割りました♨

 

さてコリコリした食感が美味しいつぶ貝。

回転ずしのネタでもそこまで高級なほうじゃない食材ですが実は調理はすごい手間がかかります。

 

まず絶対に忘れちゃいけないのが唾液腺の除去です。

周りの耳の部分はさくっと綺麗に剥がれるのでまずは耳を剥がしてつぶ貝の後ろの部分から包丁を入れます。

ぱっくりと割れた中に見える脂身みたいなとこ。

これを綺麗に除去します。

見つけてしまえば指でこするだけで簡単にとれますが摂取するとめまいなどを引き起こす危ない部分です。

(まぁ一個くらいなら問題ないらしいけど)

 

そしてその後はぬめりがとれるまで塩で何度もこすって洗います。

想像の倍くらいの回数は洗います。

今回は7,8回洗いました。

 

そこまでしてやっと食べれるようになるんですね~。

 

食感がいいし貝の中では結構好きなほうのつぶ貝ですが調理は本当に大変。

この大変さを知ってからは外食で食べれる機会があったら積極的に食べるようにしています。

自分でつくりたくないので♨

 

それではまた