俺は銀河の流れ星

これは無職が漁師になるまでの体験記。

ニシン漁の季節到来...してました

ニシン漁が始まり...そして終わりました♨

 

やってる最中は忙しすぎてだいたい事後報告になるのはこのブログあるあるですね。

魚の鮮度には神経質でも情報の鮮度は気にしません。

 

ニシンは時期になると近海を回遊し始め産卵のタイミングで陸に入ってきます。

そこを一気に刺し網で獲るわけです。

ニシンがやってくる時期になると漁師たちがそわそわしながら毎朝岸から海をパトロールし始めます。

 

ニシンがくると海が白く濁ったり周辺にトドが群がったりするのでなんとなくわかります。

 

普段黒々とした深い青の海に白い絵の具を落としたような色になっているのがわかるでしょうか。

写真奥、海が泡立っているのもニシンがいる証拠です。

たまに観光地で「黄金岬」的な地名がありますがそれはニシンの時期になると海が輝いて見えることからついていたりします。

たしかに白く濁った海に朝日が差し込んだりすれば黄金っぽくなるのかもしれません。

まぁ観光地なので多少の誇張はあると思いますが。

 

こんな状態の海に刺せば一時間もまたずこの通り。

わやです。

 

この後網から外しオスメスを仕分けて出荷します。

軽くおなかを触ると精子か卵が出てくるので簡単にわかります。

ちなみにオスの値段はメスの1/5くらいです。。。

 

この刺して→上げて→外して→選んで→並べて出荷を組合の受け取り時間の限界まで一日中繰り返すわけですね。

カスべ網も並行操業してたので一日14時間くらいぶっ通しで働いてました。

きちぃ

 

全身ニシンの鱗と数の子と脂でギットギトです。

ただ脂に関してはそれだけ美味しいってことなので...

お刺身でいただきます!!!

奥の白いのはソイ、手前の赤っぽいのがニシンです。

写真からも脂でテラッテラしてるのがわかりますね。

 

味はイワシとかサンマに近い感じでしょうか。

漁師でもこれが食べられる機会は少ないですね。

 

なんせニシンが獲れた日はほんの数日でしたから。

来るときはドバっと来るしいなくなる時はパッタリ消えます。

それがニシン。

 

今シーズンはもう一回くらい寄ってくれるかな。。。

 

それではまた

戦利品シリーズ ソイ

カレイ漁も終わり春先のニシンへと準備する中、一発ソイ漁にでました。

でっかいメバルみたいなトゲトゲしたやつです。

 

味もよく、ソイが持ち帰れると思うと嬉しい反面絶対大変な漁になるなぁと行く前から憂鬱。

 

なんせこいつ、網から外しにくい

道具を使わず外せるタラやサケと違ってカギを使わないと絶対に外せません。

エラや顔にも余計な(失礼)トゲが多くて手袋は痛むし何といってもあの尖った背びれ。

凶器です。

 

大げさじゃないです。マジで凶器です。

 

目の前でソイを足の上に落してしまい、長靴を貫通して悶絶した漁師さんがいました。

しかもソイのトゲが刺さると患部が膿むんですよね。

数日その漁師さんも休む羽目になってました。

 

あぁ頼む、あんまかからないでくれ。

そして一回でお終いになってくれ。。。

 

た、大漁だ~~~~~😭😭😭😭😭😭😭😭😭

 

今回は活〆で出荷するので迫りくる大量のソイを網から外しては〆、外しては〆。。。

網の数は少なかったのに長い戦いでした。

 

おかげさまで〆方にはだいぶ慣れましたけどね。

ちなみに大漁でしたが値段はあまりよくなかったらしく今回で終了するとのこと。

よかった(小声)

 

戦利品はもちろんソイです。

左の白いのがシマソイ、右の赤っぽいのはこの地方でアブラゾイと呼ばれている魚です。

d-shi.hatenablog.com

こいつですね。和名はクロメヌケといいます。

 

名前に違わずシマソイよりももったり脂がのっているのが特徴です。

普通に醤油でもよし、さっぱりポン酢でも美味しいです。

 

あとこんな味変も。

昆布締め~

これぞ北海道!

これが食べれるんなら頑張って漁に出るのも悪くないかな。

 

それではまた

 

ハードウェアのお勉強

親方の船が増えました(唐突)

 

このブログではだいぶぼかして書いてますが私がお世話になっている漁業部は家族経営で(大体がそうだと思うけど)親方のご子息お二人も漁師なのです。

 

今年からさらに事業拡大するということで息子さん名義で中古の船を購入。

これでこの漁業部には漁船が三隻。

もちろん私が乗り子として乗る船も三隻。

ひぇ~~~~~~~

 

そして中古ということでエンジンは新品に取り換えるとのこと。

はい、この巨大な鉄の塊。

2.5tあるエンジンを取り換える作業です。

 

いや~、船舶機械屋さんも大変だなぁ。

あれ?いつもの助手の方は?おひとりで作業するんですか?

 

機械屋さん「Ⅾ資とやるんだよ^^」

 

...えぇ、そんな気はしてましたよ。

だって私は研修生、最強安価の労働力。

今までの流れからして間違いなく降ってくると思いましたよ泣

 

というわけで狭いエンジンルームに体をねじ込みギャグマンガのような真っ黒い顔になりながらボルトやホースの解体作業。

 

およそ20年分の錆とオイルの癒着はちょっとやそっとじゃ取れません。

 

私が一本のホースに何十分もかけて苦戦している横で機械屋さんの匠の技が光ります。

ちょっとした工具の扱い方ひとつで全然効率が変わってきます。

鮮やかなお手並み。お見事です。

 

エンジンを取り出す準備だけで作業日数は二日間。

なんだかんだ言ってめちゃくちゃ勉強になったのでこの作業は参加できてよかった。

 

漁業の担い手確保に躍起になっている地域ですがこういった漁師を支えてくれているお仕事の皆さんの後継者だって深刻な問題だよなぁと思いました。

 

 

後日、建築会社の重機を借りて無事新しいエンジンも入りました。

 

それではまた

カレイの洗礼

長く険しいタラ漁の時期も終わり現在はカレイ漁に移行しました。

 

なんとなく分かっていたことですが私の身体、深夜行動にべらぼーに弱いらしい。

普段船酔いもしない体質ですが深夜の海だと若干酔ってしまう。

なんなら0時ごろ起きた時点でちょっと気持ち悪い。

それは多分気持ちの問題でしょうけど。。。

 

カレイは昼頃に網を刺して一度帰宅、翌朝6時前後に再度出港というスケジュールなので夜はゆっくり寝れるわけです。

かごの重さは圧倒的にタラの方が重いので実際体力的にも楽になってますが重量以上に深夜起きなくてもいいということが精神的にもかなり助かってます。

 

問題があるとすればせいぜいカレイの仕分けぐらいでしょうか。

カレイ漁はじめて数日のⅮ資、だいたいこんな↓

カレイってめっちゃ種類あんねん。

 

一見大漁だー!と喜んでみてもいざ陸に入って仕分けてみたら半分くらいは出荷できないカレイだったり...

 

なかなか渋い商売です。

 

カレイが三月中頃まで続いた後はニシン、ホッケが控えてます。

ちなみに北海道はまだまだ最高気温氷点下。

 

はやくあったかくならないかなぁ。

 

それではまた

二月、はよ終われ

タ!ラ!地!獄~!

 

地獄のタラ漁が最盛期を迎えています。

今までの漁は所詮練習に過ぎなかったんや...。

 

1月まではせいぜい1tちょいしかかかってなかったのが2月に入ってからは少なくても3t以上、多いと8tとか。

そして連日。これが一番きつい。

 

タラ漁のスケジュールは深夜1:00ころ出港し12:00ころに帰港、その後選別と出荷作業になります。

二月に入ってからはタラが増えたので出荷作業にも時間がかかり終わるのが16:00、遅ければ17:00前とか。

家に帰ってシャワー浴びて洗濯して夕飯食べて即就寝。

また1:00に出港の繰り返し...。

ここまでくると一日の終わりに家に帰ってるというよりは仕事の合間の休憩時間を家で過ごしてるって感じがします。

 

↑こんな感じの一日が続くわけなので、週間予報見渡す限り凪が続いたときは運命を呪いましたね。

まぁ合間に時化てくれたおかげで死の8連チャンは免れ4日と3日に分かれてくれたわけですが。

 

一月は海も時化まくり、吹雪で一週間くらい家から出ないときもあったのでもの凄い落差です。

一月が給料泥棒だったと思って頑張るしかない。

 

さてそんな地獄の中でテンションが上がった出来事も一つ。

網にかかって上がってきたのは...

こ、これは...

 

𝓚𝓲𝓷𝓰 𝓬𝓻𝓪𝓫...!!!

 

タラバガニだ~~~~~!!!

でっけ~~~~~!!!!!

 

タラバガニってタラがいるところにいるから鱈場蟹って言うらしいですね。

名前の由来を実感できて感動しました。

 

それではまた

海に漂う謎の黒マスク

タラ網をたいている最中。

※網たき:使った網をもう一度使える状態に片付けること

 

網にこんなものがかかっていました。

マスクみたいな形をした若干のふくらみがある...昆布の破片????

もしくはただのゴミだと思ったので何も気にせず網から外してポイッと。

 

親方「それカスベ」

 

....???

カスベ…?

d-shi.hatenablog.com

これ??何をおっしゃってんのん?

 

親方「カスベのこっこ」

 

D「ハァ...?コレガ...」

この時、マジで言ってる意味が分からなかったので適当な相槌しか打てませんでしたが作業が終わった後もう一度詳しく聞いてみたらカスベの卵が入っている袋とのこと。

 

いや最初からそう言われてたんだけど、目と手の感触から入ってくる質感と耳から入ってきた動物の卵という情報のちぐはぐさに脳が混乱してすぐに結びつかなかった。

 

「カスベのタバコいれ」とか呼ばれることもあるらしい。

正直「煙草入れ」なんて絶滅危惧種でたとえられてもピンとこないので「カスベのイキリマスク」くらいにしてはどうか。

 

そういえばこれ、中身はどうなってるんでしょうか...?

なぜ写真を撮るときに覗いてみなかったんだ私よ。

次見つけた時は開いてみよう。

 

なんにせよこれは漁業関係者でも漁船に乗ってる人しか知らないような知識が身につきましたね。

披露する機会はなさそうですが。

 

それではまた

IT異世界サポートセンター

この町に引っ越してきてもう半年以上。

交友範囲もじわじわと広がり親方以外の人との関わりも増えてきました。

順調に地域に溶け込んでますね。

 

そんな中最近忙しかったのがPC周りのご相談。

腐っても元IT系サラリーマンだったD資。

地域の皆様からそっち系の問題は頼りにされるわけです。

 

...まぁ特別詳しいわけでもないけど♨

なんせここはIT異世界

うだつの上がらない会社員も転生してみれば活躍できることもあるもんです。

d-shi.hatenablog.com

 

そんなわけでPCが重い、新しいPCが欲しい、メーラーの設定ができない、OA機器の接続がうまくいかない、ネットの調子が悪いetc...

デジタル関係の何でも屋さんとなりつつある今日この頃です。

少子高齢化の波をもろに受けてる限界集落にもこういう役回りの人が必要でしょう。

 

ちょうど仕事のほうも暇が多いですしね。

代わりにダンプで家の前を除雪してもらったり、夕飯をごちそうになったり、冬の田舎は助け合いの精神で成り立ってます。

 

ちなみにこのおにぎりはプリンターを診にいった報酬でもらったんですが、なんと海苔が手作りなんですよね。

原料の海藻を拾える浜があるらしい。

 

分厚くって歯ごたえがあっていい香り。

めちゃくちゃ美味しかった~。

 

漁師じゃなくてもこうして海の幸を使ってるあたり流石ですね。

漁村の営みって感じです。

 

それではまた